キョウチクトウ
<(キョウチクトウ科キョウチクトウ属)


今年は白のキョウチクトウがきれいだ。
庭のものだけでなく、町でも
真っ白に咲いたキョウチクトウが目を引く。
白の当たり年なのだろうか…
去年は確か白は殆ど咲かなかったから。
母庭には3本のキョウチクトウがある。
この一重の白と、淡黄色の八重、そしてごく淡い桃色。
中国やインド原産のキョウチクトウは、漢字で書くと夾竹桃。
葉が竹に似て桃のような花を咲かせる、という由来らしい。
排気ガスなどの公害にも強いため、
街路樹としてよく植えられている。
幼い頃住んでいた名古屋市内にも
濃い桃色のキョウチクトウがとてもよく植えられていた。
本来のスタンダードなキョウチクトウは
庭には植えられていない。
あの濃い色を見ると、なんだか暑さが倍増する…
花を見るたび、暑い名古屋の夏を思い出してしまうのだ。
山で出会うテイカカズラも同じ仲間で、どちらも花がとても可愛らしい。
5枚に裂けた花びらが螺旋状に重なり、まるでプロペラのよう…。
竹のような細長い葉は、ちょうど秋刀魚の塩焼きの形にぴったりで、幼い頃のままごと遊びによく活躍した。

とても身近にある、美しい花の木だが、キョウチクトウはとても強い毒をもっている。
その効力は薬としても利用されるが、枝や葉を折るとしみ出してくる樹液は、
そのままでは死に至るほどの毒性がある。
キャンプ場などでそれと知らず、枝を串や箸に利用して事故が起きたこともあるという。
子供の頃、ままごとで手折ると、苦く嫌な匂いが喉と鼻を貫いたものだ。事故にならなくてよかったけれど。
植物には強弱はあるにせよ、必ずといって良いほど何らかの毒性があるので注意が必要だ。
とくにキョウチクトウは剪定した枝を生木のまま火にかけると毒が拡散して危険なので、
よく乾燥させるなどの処置が必要。庭木としての扱いには要注意!

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